設立趣意書

設立趣意書

社団法人 大阪社会福祉士会 設立趣意書

 大阪社会福祉士会(以下「本会」という。)は、社会福祉士の専門職団体として、社会福祉の倫理を確立し、専門的技能を研鑽し、社会福祉の援助を必要とする人々の生活と権利の擁護を目的として、1992年11月に発足した。

 この間、事業活動として①大阪後見支援センターでの専門相談を始めとする介護・福祉にかかわる相談活動、②大阪府及び関係機関における社会福祉を初めとする委員会への委員派遣、③適正化運営委員会への委員派遣による府民の福祉サービスの苦情解決、④社会福祉士国家試験受験対策講座・模擬試験の実施による人材養成事業等を活発に展開してきた。近年は、成年後見人等の受任、野宿者支援や元ハンセン病患者の社会復帰に関する生活支援にも活動を広げているところである。

 現在、介護保険制度や成年後見制度の施行、社会福祉法等社会福祉基礎構造改革の実施などの改革により、利用者本位に基づき個人の選択を重視した制度の確立、質の高い福祉サービスの充実、個人の自立した生活を総合的に支援するための地域福祉の充実等の実現に向け、諸改革が確実に推進されている。

 このときに当り、諸改革が真に充実し、福祉サービスの質が向上するためには、府民に対する適切な情報提供、その中で社会福祉にたずさわる職員の資質向上や専門的役割の強化が欠かせず、中でも府民と共に歩む専門職である社会福祉士には、利用者の権利擁護の具体的推進、地域福祉向上のための社会資源のネットワーク化、ケアマネジメントの実施、障がい者領域での支援費制度の展開等に対して、果たすべき役割が大きく、期待が寄せられている。

 本会は、社会福祉士に向けられたこのような意義を深く認識し、今後の主要な役割を以下のように考え、福祉事業従事者として、福祉専門職団体として、地域福祉の充実を推進するものである。

(1)府民に対する権利擁護相談活動

(2)府民に対する成年後見制度利用支援

(3)府民への社会福祉にかかる適切な情報提供と啓発・啓蒙活動

(4)福祉従事者に対する研修への協力支援などによる地域福祉へのかかわり

(5)福祉サービスの質の向上のための業務評価や苦情解決へのかかわり

(6)福祉従事者の養成

 このような趣旨のもとに、本会では、近年、介護保険対策や権利擁護活動等の公益的事業分野への取り組みを充実させると共に、会員の拡大、組織整備、運営の透明性の拡大、安定的な財政運営などに努力してきたものであり、大阪府において社会福祉を推進する公益的な団体としての評価が広く認識されるところとなっている。

 しかしながら、大阪府下の地域性を考慮しつつ、社会福祉士としての特性を生かした生活相談事業の活動を府民に対してさらに積極的に責任を持って展開するために、特に大阪後見支援センター「あいあいネット」における専門相談員の派遣等による権利擁護や成年後見の活動を府民の信頼感に基づいて普及させ、連携の必要性がある医療・保健・福祉関係機関はもとより法曹機関等との信頼関係を高めるためにも、任意団体から社会的に責任を持ちうる権利主体としての社団法人化を図る必要性がある。

 よって、ここに、大阪社会福祉士会を発展的に解散し、社団法人大阪社会福祉士会の設立を期するものである。
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